2024年11月2日、「建築から見える未来」イベントを開催しました。10月31日に建物の引き渡しが完了したばかりの「さくと」を、建築設計者の案内のもと、地域の皆さまに初めてご覧いただきました。また、この日は「さくと」の建築アドバイザーであり、プロポーザル審査員も務めた株式会社シーラカンスアンドアソシエイツの赤松佳珠子さんをお招きし、建築設計チームとの対談を行いました。
当日は50名を超える参加者があり、2グループに分かれて館内見学を実施。まだ本や家具がない状態の「さくと」は、図書館というより空間としての魅力が際立ちます。設計者自身がコンセプトや計画意図を解説しながら案内することで、来場者は設計プロセスや建物の狙いを深く理解することができました。
続いて、どのような思想や手順で建設が進められたか、建築設計チームより改めて説明がありました。気軽に立ち寄れる温かみのある木造平屋、象徴的な大黒柱と中庭を軸にした回遊性のある動線、多彩な活動に対応するスタジオ空間など、実現した要素とその背景が紹介されました。赤松さんからは「これから『さくと』を育てていくのは町民の皆さまです」と、地域の手にバトンを託すメッセージをいただきました。
最後に、参加者の皆さまには館内を自由に見学していただき、用意したマップイラストに感想や期待を書き込んでいただきました。「ここで勉強したい」「ゆったり過ごしたい」「孫と訪れたい」など、多くの声が寄せられ、「さくと」が人々の生活に溶け込み、自然に利用されていくイメージが膨らみました。
2021年12月の設計プロポーザル最終審査から約3年。ようやく設計チームから佐川町へと「さくと」が引き渡されました。これからは、私たち町民がこの空間を育て、より豊かな図書館を育んでいきまししょう。